第1回
「窓」は不定期連載のコラム欄です。窓を開けて風通しを良くしたいという思いから「窓」と名付けました。
ダイバーシティに対する思い、ダイバーシティに対する期待等、皆さまからのご投稿をお待ちしております。
推進室ではダイバーシティ関連の書物や学外のフォーラム、他大学の取組みなど、幅広く情報収集しておりますので、これらの情報もこちらにてご紹介してまいります。
オンライン記者サロン「リケジョが無くなる日」に参加して
あまりの環境の悪さにリケジョがいなくなるという意味かと心配していたら、リケジョが当たり前になって「リケジョ」という言葉が消滅する日という意味でした。
前半は、朝日新聞社の元・リケジョ女性記者3名による取材結果の報告でした。「妻のキャリアに配慮せず勤務先を決める夫」、「任期付きの職に就く妻に自分より給料が少ないからと家事・育児を丸投げする夫」、「家事・育児を手伝う気はあるが別居婚のため戦力にならない夫」。これらによりキャリアを断念せざるを得なかった女性研究者たちが紹介されていました。後半では、育児をしながら研究者としてキャリアを構築している2名の女性研究者から、学内に保育所、学童保育があったことや、育児の負担は大きいものの夫がほとんどの家事をやってくれることなどがキャリア継続に重要であったと述べられました。一方で二人とも育休が取れなかったこと、また乳幼児が病気のときに夫婦で交代に休みを取るものの、共に外せない業務が重なる状況もあったことから、業務上必要となる代替要員を確保するための制度が必要、との言葉も聞かれました。また、大学の求人には福利厚生のことが一切書かれていない、出産後に役立つ制度などが入ってみないと分からないのは女性研究者にとって非常に大きな不安要素である、という意見もありましたが、これなどはすぐに改善に取り掛かることができるのではなかろうかと思います。
最後にフロアからの「スーパーウーマンでなければ生き残れないのでしょうか」との質問に対し、事実上、女性で生き残っている方はそういう方が多い、男性は能力的にはもう少しばらつきが大きいとの回答があり、今後の課題として、男性研究者の長時間労働を撲滅(ワーク・ライフ・インテグレーションの実現)しない限り、女性研究者は定着しないであろうと述べられていました。これは大学に限らず日本全体の課題でしょうか。
(投稿者:探求の友)
ダイバーシティ推進室の活動も紹介されています
大隅典子氏,大島まり氏,山本佳世子氏共著
「理系女性の人生設計ガイド 自分を生かす仕事と生き方」のご紹介
講談社(ブルーバックス)新書‒2021/5/20
本学の工学系学科の女子学生比率は21%であり、私が所属する機械工学科では6%です。この分野では業界全体でも少ないのが現状です。本書は、「理系女性」の活躍が増えつつも、依然として存在する無意識のバイアスなど、研究面での悩みやワークライフバランスなど社会で活躍する先輩理系女性から良いヒントが沢山貰えます。研究者や大学生だけでなく、これから理系を目指す中高生はもちろん、進路に悩んでいる中高生にも是非読んで欲しい1冊です。本学ダイバーシティ推進室の取り組みも一部紹介されています。
(投稿者:S)