中田 愛乃 さん
勤務先
独立行政法人国立文化財機構 奈良文化財研究所
飛鳥資料館
出身学部
2013年 東京都市大学 知識工学部 自然科学科 卒業
2015年 京都市立芸術大学大学院 美術研究科保存修復専攻 修士課程 修了
出身高校
桐朋女子高等学校 卒業 [/column][/row]
現在の仕事内容
飛鳥時代の壁画を保存・管理・公開・研究す る施設にて学芸員として働いています。主な 業務は特別展の企画立案・制作・運営です。 研究者の間で交わされる専門的な議論を、一 般の方にとって分かりやすく解説するよう心 掛けています。その他に、助成金をいただい て自身の研究も行なっています。研究のテー マは古代壁画の技法です。壁画に残された 様々な痕跡を手がかりに、古代の画工がどの ように壁画を描いたのかを復元的に考察して います。墨壺(糸を弾いて直線を引く)のよ うな道具を使って印をつけていたり、念紙と いうカーボン紙のような道具で下絵を壁に転 写していたりと、古代人の技術に驚かされる ことも多いです。
職業を選択したきっかけ
文化財に興味を持ったのは、都市大生時代に 履修した学芸員課程がきっかけでした。文化 財に関する研究をしたいと考え、卒業研究の テーマには岩絵具を選びました。岩絵具とは 鉱物などを原料とする顔料で、様々な絵画に 使われています。卒業後は大学院にて壁画に ついて研究し、現在も壁画担当の学芸員とし て働いています。地球科学と文化財では分野 が違うように感じるかもしれませんが、文化 財の調査には科学的な手法を用いることも多 く、理系出身の研究者も数多くいます。
夢の実現に向けて努力したこと
学芸員の仕事では、それぞれの研究の専門性 を求められることが多いです。従って、私の 場合は今まで自分が掘り下げてきた研究が、 今に向けての努力だった気がします。その他 にも、趣味でやってきた語学が役に立ったり と、これまでの人生でチャレンジしてきたこ とは全て仕事の役に立っている気がします。 正直、まだまだ駆け出しの研究者であるため、 毎日学ぶことが多いです。これからも精進し ていきたいと考えています。
20代のうちにやっておくべきこと
[row][column size="1/2" center="no" class=“”][/column] [column size="1/2" center="no" class="font-08em"] 外国語を学んで損は無いと思います。私の場合はわずかながらイタリア語 を話すことができるのですが、活用する機会はないと思っていました。し かし、現地の研究員とのやりとりなどで使う機会が多く、語学力が役に立 つことが多いです。就職してからだと勉強の時間を確保することが難しく なってくるので、興味がある方は学生のうちにチャレンジすることをおす すめします! [/column][/row]都市大を選んでよかったこと
[row][column size="1/2" center="no" class=“”][/column] [column size="1/2" center="no" class="font-08em"] 地球科学に興味があり、この学校を選びました。苦手科目もありましたが、 履修する授業の大部分が自分の興味がある分野だったため、授業も実験も とても楽しかったです。また、卒業研究では各学生がそれぞれの研究テー マを持つのですが、それについても先生方が色々とサポートしてください ました。都市大に来ていなければ今の道に進んでいなかったかと思います。 [/column][/row]Message
進路を決めると言うことは、いくつもの選択肢からひとつに絞らなくてはなり ません。しかし、自分を振り返ってみると、これまでの人生で経験してきたこ とは必ずどこかで役に立ってきた気がします。興味がありつつ選ばなかった道 もあったけれど、それまでの努力は決して無駄にはならないので、気負わずに、 皆さんの興味があることを生き生きと学んでいっていただければと思います。 私の体験談が少しでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです。